YNU Racing Ski Team

横浜国立大学体育会スキー部のブログです。

2016卒 栗原周平

3/25をもって正式に追い出されました、4年の栗原周平です。
昨年度1年間ニュージーランドへ留学していたこともあり、大学にはもう1年います。
しかし、国大の同期が卒業する中、自分だけ残るのは寂しくもあり、また後輩が自分に遠慮することなく自由に運営できるようにと引退を決めました。
来年度は大学生ながらOBとして参加していこうと考えています。


さて、これが最後の投稿になるのでしょうか。はい、最後になります笑

今まであまり話してこなかった僕の気持ちをここに書こうかなと思います。
みんな「黒原さん」「ブラック」など僕を褒めちぎってくれましたが、これは本心です笑


僕は運動が良くできる方ではない。
スキーは年1回家族スキーをするくらい。
中高とバスケをやってきたが、万年補欠といった感じ。
ただ背は高かったから素人の中ではまあまあできる方なだけかなと。
大学ではアルバイトができる、何か金のかかることに挑戦しようと思った。

そこでスキー部に入った。


陽の当たらない場所に佇む小さな看板から想像できた。
勧誘されたとあるテニサーに比べておそろしく人数が少ない。
それでも
「たぶんここに入る。」
当時4年生だった翔生さんと初めてメールしたときの直感だった。
横浜市大でのお好み焼きパーティーに参加して確信した。

自分はスキー部の人間が好きだな。


本格的にシーズンが始まり、年末合宿。
緊張のピークは初日、出発する時だった。
なじみのない駅に一度くらいしか会話したことない同期のこたにとまちこ。
初々しいと言えば聞こえが良いが、ただただ気まずい。
そこに当時3年生だった市大の先輩、桐ケ谷さん。まだ面と向かって話したことがない。
家が近く乗せて行ってくれるとのこと。
年齢的には一つ上なのにとても大人っぽく見えて、自分がとても小さく感じた。
でもとても親しげに話しかけてくれ、こんな先輩になりたいと強く思った。
この時からまちこの不思議なオーラは感じていたし、
こたにが桐ケ谷さんと普通に話しててすごいなとも思った。

国大と市大ってわけるもんじゃないな。


合宿ではコーチの市村さんと出会った。
ものすごい経歴の持ち主なのに、とても気さくに丁寧に接してくれる。
初めて会ったのに親近感を覚えた。
そして宿泊先であるアジルのご主人と奥さん。
今後自分の心の支えとなる2人であるとは知る由もなかった。
さらに一泊目にわかったことがある。

結局世の中、信頼がすべてだ。


2月と3月には大会が白馬の岩岳で開催される。
この時にお世話になるのが入山登のおかみさん。
毎年他大も含め大人数宿泊するのに、一人ひとりをしっかり認識している。
初めての大会がDH。
死ぬと覚悟したのは一度ではない。
スタートした瞬間に異次元に飛ばされるあの感覚は初心者ならではのものだろう。
スタート地点まで応援に来てくれる先輩や同期を見て思った。

いつか団体で入賞したい。


大会が終わると追いコンがある。
翔生さんと市大の野島さんが主賓だ。
2人とも自分には本当によくしてくれた。若干1年の自分にだ。
1年しか一緒にいなかったのにたくさんの思い出があった。2人が作ってくれた。


自分にとって刺激の多い1年だった。


2年次に主将をすることになった。
自分が1年次に感じたスキー部の良さを守りつつ、一からスキー部を創ろうと思った。
主将とは会社でいえば社長だ。全てに責任があり全てを把握している必要がある。
新歓夏合宿常盤祭OB会プレ合宿年末合宿岩岳予選岩岳本戦追いコン
主将をやりつつ会計を管理していた。

気づいた。というか忘れていた。

部員を置き去りにしていたのだ。
それでも体裁を保っていたのは同期の犬飼と七田が陰で動いてくれていたからだ。
犬飼はよく人を見ている。観察眼というか人の気持ち、空気がわかる。
七田は細かいところに気が付く。視野が広い。物事の同時並行ができる。
2人の魅力は溢れてくるのでここでは簡単な説明にとどめておく。

自分で何でもやっていたと思っていたが、結局二人に支えられていたのだった。
主将も重要だが、それを支える周りの能力がチームとしての価値を高める。


実は支えてくれていたのは二人だけではない。
暴走するキャプテンに必死に食らいついてきた一年生(当時)
悟はいつも意見がはっきりしている。ブレない。団体入賞は彼の活躍なくしてありえなかった。ちょうどよい礼儀が親しみを生む。
桑原はかわいい顔と素直な性格が特徴だ。
まさきは明るい。同じ埼玉出身だからかその中で正反対だからか親近感がある。
船津は時々パンクしそうになるところがかわいい。本人はコミュ障というが、その愛嬌ある性格に人は魅了されている。安心しろ。

市大の同期は個性豊かだ。
僕は「普通」という言葉が嫌いだ。だから普通じゃない市大の同期が好きである。
青木はいつも僕の話を面白そうに聞いてくれる。でもあまり自分の話をしない。だから悩みを言ってくれた時は嬉しかったな。
まいまいは目標を実現させる能力が少なくとも僕より高い。自分の考えをしっかり持っている。
尾花はコミュニケーションを取るのが上手なのか、いつも同期や後輩に囲まれている印象。でもいつか本音で語り合ってみたい笑
こたにはとにかく優しい。感情を素直に出してくれるので接しやすかった。その笑顔に癒されるのは僕だけではあるまい。
まちこは興味を持つと徹底的に追究する。この行動力はすごい。フィンランドの話をもっと掘り出そうと試みる予定だ。

僕が主将をしていた時の市大の幹部代も魅力的だった。
古賀さんはどこか余裕を感じさせる。先輩なのに僕の視線まで下りてきてくれるので、気を付けないとこちらが無礼をしてしまいそうになる。
岳さんはいつも僕を労ってくれる。市大のことで大変なはずなのにイベントごとに国大のことを気にかけてくれる。今後は先輩であり戦友になるであろう人物である。
桃子さんはきれいな顔立ちとにぎやかな振る舞いで印象的だ。僕の中で未だに不思議な人というところから抜け出せない。

次の幹部代は人数が多い。
しかも性格にダブりがないから不思議だ。
これからは誰かが敷いたレールを行くのではなく、自分ならどうするかを考えながら行動してほしい。これは前の人と違うことをしろというより、自分なりの工夫を加えて色を出せというメッセージである。
自分はこの部活の中でどんな立ち位置にいるか。じゃあその上でどうしたいのか。
意志を持って行動すれば納得できるし後悔したりしない。
僕はスキーで引っ張るのではなく、僕という人間に興味を持ってもらいたいという思いで主将をした。コーチや宿の方から僕の名前が出たときは嬉しかったな。

ついに後輩を持つ君たち。
来年度はもっと話したいと思っている。
良い先輩になる最も効率的な方法は「自分にとっての良い先輩」をまねることだ。
そして縦ばかり意識するのではなく、同期と仲良くすることも忘れずに。
僕は国大市大の同期がいたから本当に楽しい4年間になった。
縦と横のバランスは難しいが、努力する価値はあると思う。

市大の後輩たち。
次に最終学年になる人たちとは年数が経つにつれて仲良くなった気がする。
村田は責任感あってきちんと仕事をこなすし、ささべは気遣いができて上下問わず人気がある。佐野ちゃんは自分を振り返って評価できる人間だし、中島のさりげない思いやりに感動することも多く、永田はまるで弟のように僕を慕ってくれた。
次の幹部代は今までの市大とは異なる状況に苦労することがあるだろう。
そんな時は「理想はこうだ」ではなく「今できるベストはこうだ」という心意気で臨めば、先輩を含め部員に伝わるのではないかと思う。
いよいよ後輩ができる代は同期のつながりを強めるとつらい時に助け合える。
一人で抱え込まず同期全体で、時には国大の同期も巻き込んで。



いかがでしたか。
気持ちを思い出していたらいつのまにか長文になってしまいました。
僕がスキー部で関わった先輩・同期・後輩・OBOGの方々・コーチ・宿の方々・顧問の先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
僕の人生史における大切な時間になりました。
ここで作ったつながりを永遠に続けていきたいなと思います。

最後に、好き勝手遊び尽くした僕を支えてくれた家族には本当に感謝しています。
僕を最も理解してくれるこの家族は宝物であり、心から尊敬しています。

平成28年3月29日 栗原 周平